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コロナ変異株「N501Y」ってなに? 従来型のウイルスとどう違う? ワクチンは効くのか?

変異した新型コロナウイルスが急増し、2021年4月25日、大阪、京都、兵庫、東京で緊急事態宣言が発令されることになりました。

緊急事態宣言は2020年4月、2021年1月に続いて3回目です。

GWを前に、また窮屈な生活を首都圏や関西圏の方は強いられますし、地方でも、変異株の感染割合が上がってきています。

今回は変異株とは何か? 今までのウイルスとの違いと、ワクチンが効くのかどうかについて、報道をもとに調べてみました。

変異株、変異ウイルスとは?

ウイルスが人の体内で増殖、いわばコピーの際に、設計図の役割をするのが遺伝子です。新型コロナウイルスの遺伝子は3万個の文字の列(塩基配列)でできています。

文字の並びに従い、あるべき位置にあるべき種類のアミノ酸が作られ、多数のアミノ酸がつながって、たんぱく質ができ、ウイルスを形作ります。しかしコピーを繰り返す中で、設計図の文字を映し間違えることがあります。

 

 

 

 

 

 

例えば、「AAU」というう文字列に従うと、アスパラギンというアミノ酸が作られるべきところに、「UAU」ではチロシンができます。このようにあるべきアミノ酸とは別のアミノ酸がつながれたり、あるべきアミノ酸がなくなったりして、元の設計図と違うたんぱく質ができること、これが「変異」です。

変異は数万にも及ぶ

新型コロナウイルスは1か月に2か所程度変異が起きるといわれていて、これまでに数万ものウイルスが現れているそうです。変異しても、ウイルスの性質に影響を与えないものから、性質を変え、ヒトに脅威を与えている変異もわかっています。

コロナウイルスが感染するのは、表面にスパイクという突起のようなものがあり、人の細胞にくっついて、ウイルスがヒトの細胞の中に入るこむのが感染です。

注目されている「N501Y」「E484K」変異とは?

「N501Y」「E484K」変異は、いずれも、スパイクを構成するタンパク質のうち、ヒトの細胞表面にある受容体と呼ばれるたんぱく質と結合する重要なところに起きた変異です。

「N501Y」変異は、スパイクタンパク質のうち、501番目にあるアミノ酸がN(アスパラギン)であるはずが、Y(チロシン)に置き換わっています。

「E484K」変異は、484番目にあるアミノ酸がE(グルタミン酸)ではなく、K(リシン)に置き換わっています。

これらの変異があると性質はどう変わる?

アミノ酸の違いで、タンパク質が変わり、スパイクの性質が変わるとみられています。

「N501Y」変異があると、従来より感染しやすい可能性があり、このイギリス型の変異ウイルスは、重症化させやすい可能性も指摘されています。

 

 

 

 

 

 

「E484K」変異は、大きく感染力が上がるという訳ではなさそうですが、免疫やワクチンの効果を低下させる可能性が指摘されています。

国内で猛威を振るっている変異ウイルスの多くはイギリス型の「N501Y」

イギリスで最初に見つかったこの変異ウイルスは、WHOによりますと、3月9日までに111の国と地域で感染が確認されています。

この変異ウイルスの感染力は、ヨーロッパ疾病予防管理センターによりますと、複数の研究から36%から75%高くなっているとしています。

また、イギリス政府は従来のウイルスより入院や死亡のリスクの上昇に関わっている可能性が高いとしていて、検証が行われています。

 

 

 

 

 

 

また子供への感染力が高い傾向があるとのことで、現状では16歳以上がワクチン接種の対象ですので、年少者への対策も考えなければなりません。

一方で、ワクチンの効果には大きな影響はないとしています。

通常の感染予防に加えて、早くワクチン接種の完了が待たれるところです。

南アフリカとブラジルの変異型ウイルスの特徴は?

「E484K」と呼ばれる体の中で作られる抗体の攻撃から逃れる変異があるため、再感染するリスクが上がると考えられています。

ワクチンが効くかどうかについて、抗体がウイルスを抑える効果が下がるという研究結果が出ていて、各ワクチンメーカーはそれでも十分な効果はあるとしていますが検証作業を進めています。

これからの対策は何が必要か?

NHKの記事によると

変異ウイルスの国内での状況について、公衆衛生学が専門で国際医療福祉大学の和田耕治教授は

「国内でどこまで広がっているのかまだわかっていないことも多いが、各国の状況を見ると封じ込めることは難しく、国内でも感染の主流に置き換わると考えるべきだ。

変異ウイルスの情報が盛んに出始めた年末年始の時期以降、感染者数が減ってきていて一般の人はなかなか危機感を持ちにくい状況だと思うが、

変異ウイルスが主流の流行が起きれば、感染拡大のスピードや感染者数などの状況がこれまでより厳しくなるおそれがある」と述べました。

これまでに加えて行うべき対策について

和田教授は「個人で行う対策は全く変わらないが、年度替わりの時期で多くの組織で人事異動で感染対策の責任者が替わり、これまでやってきていた対策がうまく引き継がれないケースもあるかもしれない。去年の同じ時期にもそうしたケースが見られていて

特に高齢者施設、医療機関、自治体などではこれまでの対策をより素早く行う必要があり、徹底してほしい。また、監視体制の強化も必要で、民間の検査会社が検査したウイルスの検体からも変異ウイルスを検出できるように、しっかりとしたルール作りを国が行うべきだ」と話しています。

まとめ

変異株とは、ウイルス表面のスパイクタンパクが一部違うものに置き換わっていることがわかりました。

今までのウイルスとの違いといえば、「N501Y」が、感染力が強まっていること、「E484K」は免疫やワクチンが効きにくくなっている可能性があること

ワクチンが効くのかどうかについては、「E484K」がややワクチンの効果が薄れる可能性があるとのことですが、まだ十分に検証されていないため、

新たな情報を待つ必要があります。

以上、3回目の緊急事態宣言発令時の情報でした。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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