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新型コロナウイルスの飲み薬を、厚生労働省が2021年12月24日夜承認

厚生労働省は2021年12月24日、米メルク製の新型コロナウイルス治療薬「モルヌピラビル」を承認しました。

軽症・中等症向けで、自宅療養で使いやすい初の飲み薬となります。

臨床試験(治験)で発症まもない患者の重症化を抑える効果が確認されています。」週末から配送が始まり、早ければ週明け(2021年最終週)にも医療現場で使えるようになる見通しです。

コロナ治療薬の種類

これまで様々な新型コロナ治療薬の承認や開発がされています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大きく分けて3種類の薬があります。おさらいしましょう。

①ウイルスが細胞に侵入するのを防ぐ薬

抗体カクテル療法

新型コロナウイルスが増殖するのを防ぐために、体内に抗体を注入する治療法です。

現時点で、厚生労働省の特例承認を受けている中和抗体薬は、「ロナプリーブ(成分名カシリビマブ、イムデビマブ)」と「ゼビュディ(成分名ソトロビマブ)」です。

抗体がウイルスの表面にあるスパイクたんぱく質に結合し、人の細胞に侵入するのを防ぎます。

ロナプリーブについては、2種類(カシリビマブ、イムデビマブ)の抗体を混ぜ合わせて使用することから、抗体カクテル療法と呼ばれています。

ゼビュディについては、抗体(ソトロビマブ)がウイルスの保存性の高い領域(変異が起きにくい領域)に結合することから、設計上は変異株にも効果を発揮すると期待されています。

発症から7日以内の軽症から中等症、特に肺炎を起こしていない初期の患者に投与することで、ウイルスの増殖を阻止し、重症化を防ぐ効果があります。

ただ変異ウイルスへの効果は限定的との考え方もありますので、オミクロン株への効果は若干劣るのかもしれません。

②細胞に侵入したウイルスが増殖するのを抑える薬

②ー1 レムデシビル 点滴薬

レムデシビルはRNAウイルスに対し広く活性を示すRNA依存性RNAポリメラーゼ阻害薬で、元来はエボラウイルス感染症の治療薬として開発されました。

ただ新型コロナウイルスにも効果が確認され、使用が承認されています。

②ー2 モルヌピラビル 経口薬

今回承認された日本国内初の内服薬です。

軽症者に使える国内初の飲み薬となり、オミクロン株にも効果が期待されています。

この薬は、医師の処方が必要で、18歳以上で重症化リスクのある軽症・中等症の患者が対象です。

1回4錠を1日2回、5日間服用します。ウイルスの増殖を早期に抑えるため、発症5日目までに飲み始める必要があります。妊婦には使えないようです。海外の臨床試験では、入院や死亡のリスクを約30%下げる効果が確認されています。

②ー3 パクスロビド

2021年12月22日 食品医薬品局(FDA)は、米製薬会社ファイザーが開発した新型コロナウイルス感染症の飲み薬「パクスロビド」の緊急使用を許可しました。

重症化リスクの高い患者の入院率や死亡率を9割近く減らし、新たな変異株オミクロン株にも有効とされています。

自宅で飲むタイプの抗ウイルス薬の使用が許可されるのは米国でも初めてです。

12歳以上の軽度または中程度の症状を示し、糖尿病や心臓病、肥満などで重症化リスクの高い患者の症状悪化を防ぐことができるとされています。

子供の場合は体重が40キロ以上あることも服用を許可する条件となっています。

③過剰な免疫を抑える薬

増殖したウイルスに対する過剰な免疫作用が時に致命的なっていることもこの新型コロナウイルスではわかっています。

③-1 デキサメタゾン

デキサメタゾンは、新型コロナウイルス感染症に感染して症状が悪化し、酸素吸入、または人工呼吸器を付ける状態になった方に投与すると、過剰な免疫抑制作用や抗炎症作用によって有害な炎症反応を抑制、または予防する可能性があるとされています。

しかし軽症で使用すると、かえって症状が悪化するですなので、使用するタイミングが大切です。

③-2  バリシチニブ

バリシチニブは、エボラ出血熱の治療薬として開発された抗ウイルス薬です。新型コロナウイルスをはじめとした一本鎖RNAウイルスに抗ウイルス活性を示します。日本では2020年5月、厚生労働省が重症患者さんを対象として特例で承認しました。

侵襲的人工呼吸管理を受けている、または体外式膜型人工肺(ECMO)を使用している方で、バリシチニブ投与により、死亡の可能性が46%低下したという結果もあります。

新規の内服薬に期待

今回日本で初めて新型コロナ内服薬として承認されたモルヌピラビルは劇的な効果はないかもしれませんが、ある程度重症化を防ぐ可能性があるようですので、前進と思います。

ファイザー製の内服薬は2021年暮れの段階では日本には入ってはいませんが、各国争奪戦になっているようですので、期待されているのかもしれません。日本でも早く使用できるようにしてほしいですね。

まとめ

今回は新型コロナ感染症に対して日本で初めて内服治療薬が承認されましたので記事にしました。まずは感染しないことが大事ですが、

・感染を防ぐ薬

・感染してもウイルス増殖を防ぐ薬

・ウイルスに対する過剰な免疫反応を抑える薬など

多彩な新型コロナウイルス感染症への薬が開発されています。

しかしまだ2021年12月時点では新型コロナウイルス感染症を制圧しきれてはいませんので、まずは感染予防が大事ですね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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