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⑦サイクリングと栄養学

生活習慣病を放置すると、肥満からアディポネクチンの働きが悪くなりがんリスクが上がります!

こんにちは。ラディアンです。

秋はいろいろなものがおいしくて思わず食べ過ぎてしまいますよね。

今回のブログでは

「生活習慣病を放置すると、アディポネクチンの働きが悪くなり、がんリスクが上がります!」

ということを解説します。肥満について考えましょう。

肥満とは

近年、日本においても食生活を取り巻く社会環境の変化、すなわち食生活の欧米化や運動不足から肥満の人が急激に増えています。「肥満」とは体重が多いだけではなく、体脂肪が過剰に蓄積した状態を言います。肥満は糖尿病や脂質代謝異常症・高血圧・心疾患などの生活習慣病を始めとして数多くの疾患のもととなるため、健康づくりにおいて肥満の予防・対策は重要な位置づけを持ちます。

肥満度の判定には、国際的な標準指標であるBMI(Body Mass Index: 体重(kg)/身長(m)2)が用いられています。男女とも標準とされるBMIは22.0ですが、これは統計上肥満との関連が強い糖尿病・高血圧・高脂血症に最もかかりにくい数値とされています。

なおBMIは成人にのみ用いられる指標であり、乳幼児および学童児の肥満の判定にはそれぞれカウプ指数(10×体重(g)/身長(m)2)・ローレル指数(体重(kg)/身長(cm)3)×107)が用いられます。
BMI25以上を肥満として、肥満度は4つの段階に分けられます。

 肥満度の判定基準(日本肥満学会)

BMI(数値の範囲) (肥満度)判定
< 18.5 低体重
18.5 ≤ BMI < 25.0 普通体重
25.0 ≤ BMI < 30.0 肥満(1度)
30.0 ≤ BMI < 35.0 肥満(2度)
35.0 ≤ BMI < 40.0 肥満(3度)
40.0 ≤ BMI 肥満(4度)

 

BMIは身長と体重から単純に計算された値ですので、これだけでは筋肉質なのか脂肪過多なのか区別できません。またBMIは標準でも筋肉や骨と比べて脂肪が多い、つまり体脂肪率が高い状態(隠れ肥満)が最近の若い女性に多く見られています。近年、体脂肪率も測定できる体重計が市販されていますが、機種によって推定方法や判定基準が異なることがあります。したがって、一定の誤差があることを理解したうえで、あくまでも目安のひとつとして、測定値の増減の傾向を把握してみましょう。

また同じBMIでもどこに脂肪がついているかで健康への危険性は大きく異なってきます。筋肉の内側の腹腔内に脂肪が多く蓄積する「内臓脂肪型肥満(リンゴ型肥満)」の人は、糖尿病・高血圧・脂質代謝異常などを発症する確率が高くなります。一方で腰まわりや太ももなど下半身を中心に皮下脂肪が多く溜まっているものの内臓脂肪は少ない「皮下脂肪型肥満(洋ナシ型肥満)」の人には、こうした症状はあまりみられません。

肥満の人の割合

厚生労働省「国民健康・栄養調査結果の概要」によると、20歳以上の人の肥満の割合は男性30.7%、女性21.9%となっています。

年代別にみると、男性では40歳代が35.3%と最も高く、次いで60歳代が34.1%となっています。
一方、女性は年齢が上がるにつれて肥満者の割合が高くなり、70歳以上で26.5%と最も高くなっています。

 

 

 

 

 

 

 

肥満はなぜ放置してはいけない?

肥満は多くの病気の要因

肥満は、驚くほど多くの病気をまねく要因となります。
たとえば私たちの体内では、年齢とともに筋肉量や骨量が減り、からだを支える力が弱くなっていきます。そこに肥満が加わると、骨や関節への負担が大きくなり、腰痛や膝痛などの関節障害を起こしやすくなります。転んだりして急に大きな負担を受けると、骨折を起こすことも少なくありません。
また肥満は、高尿酸血症から痛風をまねいたり、脂肪肝や膵炎を促進したり、あるいは突然死の原因ともなる睡眠時無呼吸症候群にも大きな影響を及ぼしています。
さらに、大腸がんや前立腺がん、乳がん、子宮がんなど、多くのがんのリスクを高めることも指摘されています。

ほかの生活習慣病の引き金に

肥満との関係でもっとも注目されているのが、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病です。また、これらの病気が重複して発症するメタボリックシンドロームとも、密接な関係があります。
肥満を放置していると、こうした生活習慣病を悪化させ、血管を傷つけたり、もろくしたりして、やがて動脈硬化を引き起こします。その結果、心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気へと進む原因ともなります。
日本人には小太りの人は多いのですが、欧米人のような超肥満体の人はあまりいません。それは日本人の場合、もともとインスリンの分泌能力が低いため、少し太ると糖尿病をはじめとした生活習慣病になりやすく、それ以上は太れないためです。
それだけに日本人は、肥満にはとくに気をつける必要があります。

やせすぎも太りすぎもよくない

日本人のBMIと死亡リスク

肥満は2型糖尿病、循環器疾患、いくつかのがんに関係しており、健康に重大な悪影響を及ぼします。肥満指数(BMI)は体重(kg)を身長(m)の二乗で割って算出され、測定・計算が簡単で、肥満・痩せの指標として広く使われており、その水準が健康リスクや死亡率と深く関係していることが海外の多くの研究で報告されています。

BMIと死亡リスクの間には逆J型の関係

図は、BMIによる全死因および死因別の死亡のリスク(ハザード比)を男女別にグラフにしたものです。BMI23-25を基準(ハザード比=1)として、各BMIグループと比較した相対リスクで示しました。死亡率に影響を与えうるBMI以外の要因(年齢、地域、喫煙、飲酒、高血圧の診断歴、糖尿病の診断歴、余暇のスポーツ・運動)について、それらの偏りが結果に影響を与えないように、ハザード比には統計的補正が施されています。

 

 

 

 

 

 

これによるとやせすぎも太りすぎも死亡リスクに関係があるといえますね。

アディポネクチンとは?

アディポネクチンとは、脂肪細胞から分泌されるたんぱくです。あるときは「やせホルモン」、またあるときは「長寿ホルモン」と呼ばれ、話題になっています。

なぜ「やせホルモン」と呼ばれるのか?

ホルモンというと、内臓などから分泌されるものと考えている人が多いと思いますが、実は脂肪細胞からも分泌されます。脂肪細胞からはホルモンだけでなく多くの生理活性物質が分泌されていますが、そのなかで善玉物質として注目されているのがアディポネクチンです。

なぜ注目されているのかというと、アディポネクチンには脂肪を燃焼させる働きがあるからです。そのためテレビ番組などでは「やせホルモン」と呼ばれたりして、しばしば取り上げられているのです。
体を動かしてエネルギーが必要になると、脂肪を分解する酵素「リパーゼ」が活性化されて、体内の脂肪をエネルギーとして消費します。また、筋肉にある酵素「AMPキナーゼ」も活性化されて、糖や脂肪をエネルギーとして活用しようとします。つまり、運動することで酵素が活躍して、脂肪が蓄積されるのを防いでくれるのです。 これに対してアディポネクチンには、運動を行わなくてもAMPキナーゼを活性化する働きがあります。運動をすればもちろん、しなくても糖や脂肪の消費をサポートしてくれるのです。アディポネクチンが分泌されていれば、脂肪を燃焼しやすく、太りにくいカラダになることが可能というわけです。

アディポネクチンは脂肪細胞から分泌されているため、脂肪が多く太った人のほうがたくさん分泌されるのでは? と考えるかもしれませんが、事実はその逆です。脂肪、なかでも内臓脂肪が多くなればなるほど、アディポネクチンの分泌量が減ってしまうことがわかっています。
そのメカニズムに関しては、すべてが明らかになっているわけではありません。しかし、その理由として考えられているのは悪玉物質との関連です。脂肪が多く太っている状態は、狭い密室に脂肪細胞が詰め込まれていることを意味します。詰め込まれた脂肪細胞は炎症を起こし、炎症細胞であるマクロファージがそこに近づいてきます。すると悪玉物質が分泌されてしまい、代わりに善玉物質であるアディポネクチンの分泌が減ってしまうと考えられています。アディポネクチンが分泌されるためには、脂肪をため込むことを防がなくてはいけないのです。

動脈硬化や糖尿病の予防、がん予防にも役立つ

アディポネクチンが注目される理由は、脂肪燃焼の働きだけではありません。動脈硬化を予防し、改善する働きもあります。

また、アディポネクチンにはがん細胞が増殖するのを抑制する働きがあるのでは、ともいわれています。すべてのがんに対してではありませんが、胃がん、大腸がん、乳がん、子宮体がん、前立腺がんなどに対して、アディポネクチンの予防効果が期待されています。
さらに、アディポネクチンが心臓などの臓器にも作用しているのではないかという研究報告もあります。心筋梗塞のあるマウスによる実験では、心筋のアディポネクチンの量が一時的に増加するのに対して、血中のアディポネクチン濃度が一時的に低下するという様子が見られたといいます。これは、血液中を巡回していたアディポネクチンが障害された臓器に集まり、臓器保護作用を発揮している可能性が示唆されているというのです。

 

まとめ

今回は、生活習慣病のひとつである、肥満を放置することによって引き起こされる他の生活習慣病を抱え込むリスクや、やせホルモンとも言われる「アディポネクチン」の働きをご紹介しました。

 

 

 

 

皆さんもアディポネクチンを活性化させて、健康長寿を目指しましょう!

 

 

 

 

 

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